想い出の品

一等水兵のClaude Henderson氏は第二次世界大戦下、戦艦ミズーリの管理部門に配属され、艦内の郵便局に勤務していました。彼は、降伏文書調印式の際乗艦しており、「戦争の終結」を目撃したひとりです。

彼は、戦艦ミズーリでの経験や人々との記憶がたくさん詰まった想い出の品々を家に持ち帰りました。

戦艦の新聞、手紙、写真、年表、石を詰めた小さなコットンの巾着袋、そして、1945年9月2日東京湾に停泊中の戦艦ミズーリ艦上にて行われた降伏文書調印式のその場に立ち会った人々へ配布された記念カードなど。

これらは、彼の人生とそして世界さえをも大きく変えた時代に彼が経験したことや、この時代の出来事、状況の象徴で、彼が決して忘れることのできない思い出の品々です。

私たちは、戦艦ミズーリの元乗組員の方々と直接お会いしてお話を聞かせていただくにつれ、どのような体験をされてきたのか、より一層理解することができました。そして、これらの想い出の品々は、乗組員の方々それぞれの戦艦ミズーリでの記憶や思い、戦時下の海上での暮らしを象徴するかけがえのない物なのだということが分かりました。またその一方で、所有者にとってどれほど大事なものであったのかを十分理解するまでに非常に困難な道のりをたどることもありました。

先日完成したCrew’s Room exhibit(クルーズ・ルーム展示)では、第二次世界大戦から湾岸戦争までに従事した乗組員たちの記念の品々を展示しています。これらの展示品は、詳細な説明などしなくても、どれだけ大切な物であったのかを見て感じていただくことが出来ると思います。

Claude Henderson氏によって彼の生涯にわたり大切に保管されてきた品々の内の一つである、石を詰めた小さな巾着袋を見たとき、私たちはそれが意味するものがわかりませんでした。

しかしその後、彼が“キャッツアイ”と呼ぶこの半球のコレクションは、彼が第二次世界大戦が終了した際に東京湾で拾い集めたものであったことを知りました。

戦争が終結し、1941年12月7日の真珠湾を思いながら、また、4年という長きにわたる戦争の日々を思い返しながら、水辺に立って東京湾を眺める彼の心情を想像してみてください。石の詰まった巾着袋が彼の人生でどのような意味を持つのかを想像してみてください。

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投稿者: senkanmissouri

歴史的な過去と現代の技術の共存する船、戦艦ミズーリは、訪れた人々に歴史の痕跡と真実を巡る機会を提供する記念館として一般公開されています。戦艦ミズーリ記念館は展示物、過去の記録、ツアーなどを通じて、皆さまに艦上での生活について詳しく学んでいただけます。現在公開されている戦艦上の多くの部分は、ミズーリ号が就役していた当時の状況をほぼ忠実に再現しています。当時の戦艦内の設備や生活の様子などをご自身の目で確かめに、ぜひご来館ください。

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