テーブルにまつわる話

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1945年9月2日、上級士官、従軍記者、カメラマンたちが見守る中、降伏文書調印式は約23分で終了し、それによって第二次世界大戦は正式に終結しました。この式に向けて入念な準備が施されてきましたが、乗員たちが少し苦労した、直前の変更がありました。

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フレーザーイギリス海軍元帥がマホガニー材テーブルと、立派な布張りの椅子を2脚イギリスの戦艦キング・ジョージ5世から送ってきました。戦艦ミズーリのマレー艦長は“40インチ角の素晴らしいテーブルだ”、と述べ、この手作りのテーブルは式の当日に使用される予定でした。

調印式当日の朝も準備が着々と進む中、マッカーサー元帥と彼の部下がミズーリに到着しました。彼らと共に調印式の書類をワシントンから持ってきた一人の陸軍大佐がいました。

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“書類に目を通したのはその時が初めてでした。”と、マレー艦長は言いました。“なんてことでしょうか!40インチx20インチの書類が2つ横並びで使用される予定でしたので、40インチx40インチのテーブルでは足りないのです!”

彼は近くにいた水兵を4人集め上級士官食堂へ向かわせました。上級士官食堂のテーブルをつかもうとしたのですが、テーブルは床にボルトで固定されていることに気が付きました。大食堂へ至急降りた時には、調理人たちが朝食後のテーブルを既に片付けてしまっていました。調理人たちに文句を言われながらも急いで最初に眼に入った大食堂のテーブルをつかみました。

メインデッキに戻る途中、マレー艦長はコーヒーのしみが付いた緑色のテーブルクロスを上級士官食堂のテーブルから引っ張り、乗員たちは大食堂のテーブルを調印式会場のデッキに設置し、その緑色のテーブルクロスで覆いました。見た目は立派に見えました、とマレー艦長は言いました。

この時までにはニミッツ元帥も戦艦ミズーリに到着しておりましたが、テーブルが変わっていることには気づきませんでした。マレー艦長が伝えた時には、ニミッツ元帥はただ笑うのみでした。

そして、歴史的な式が終了しました。

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上級士官たちが船からおりた後、マレー艦長は各部局の局長たちと共に彼の部屋へ戻りました。皆、強いお酒を飲みたいところでしたが、コーヒーで我慢しました。

緊張から開放されてきた頃にある一人が突然、使用されたテーブル、テーブルクロス、椅子のことを思い出しました。“皆大急ぎで調印式会場に走り出しましたが、テーブルが無い!”とマレー艦長は叫びました。

艦長室に無造作に置かれた緑色のテーブルクロスと椅子を慎重に保管し、テーブルを探しに大食堂へと戻ると、調理人たちは楽しそうに昼食の準備をしていました。借りたテーブルのことを心配そうに聞くと、調理人たちは顔を見合わせて一つのテーブルを指差したそうです。

その時の大食堂のテーブルは今日、海軍兵学校博物館に誇らしげに展示されています。しかしながら、展示されているテーブルが実際に調印式で使用された大食堂のテーブルかどうかは疑わしいです。そして、美しいマホガニー材テーブルが今どこにあるのかは、今も謎に包まれたままです。

 

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投稿者: senkanmissouri

歴史的な過去と現代の技術の共存する船、戦艦ミズーリは、訪れた人々に歴史の痕跡と真実を巡る機会を提供する記念館として一般公開されています。戦艦ミズーリ記念館は展示物、過去の記録、ツアーなどを通じて、皆さまに艦上での生活について詳しく学んでいただけます。現在公開されている戦艦上の多くの部分は、ミズーリ号が就役していた当時の状況をほぼ忠実に再現しています。当時の戦艦内の設備や生活の様子などをご自身の目で確かめに、ぜひご来館ください。

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