知覧特攻平和会館協賛Kamikaze特別展 リニューアル

1945年4月11日、戦艦ミズーリに向かって一機の零戦が突入しました。翌日、当時の艦長、ウィリアム・キャラハンの命令により、特攻隊員の水葬が戦艦ミズーリの甲板上で行われました。この出来事から70年後の2015年に戦艦ミズーリ保存協会は知覧特攻平和会館との提携、及び戦艦ミズーリ上での特別展示を発表しました。

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2015年のKamikaze展入口。

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2015年のKamikaze展での特攻隊員の最後の手紙の展示。

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2015年のKamikaze展でのキャラハン艦長の命令によって行われたミズーリでの水葬に関する展示。

スペースは大変限られたものではありますが、この展示は前例のない反響を呼びました。特攻機が衝突した甲板からセカンドデッキへと下がる階段の横に展示会場が設置されているため、多くの来館者に足を運んで頂きました。特攻隊員(特別攻撃隊)が母親や子ども、恋人へ書き残した遺書や手紙、歴史的資料や写真、ユニフォームなどが展示され、若き特攻隊員の生きた証と最後の日々を展示を通じて垣間見ることが出来ます。当初は2015年11月までの展示予定でしたが、反響が大きかったために継続が決定し、そして今回のリニューアルを迎えることが出来ました。

リニューアルに向けて展示品を設置する前には多くの下準備作業が必要でしたので、アメリカ沿岸警備隊上等兵曹協会ハワイ部隊の皆様にお手伝い頂きました。

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アメリカ沿岸警備隊准士官の方々が旧Kamikaze展示を解体する様子。

7解体後、展示ケースの下に隠れていたメスデッキのテーブルが再び姿を現しました。

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展示スペース解体後。

展示ケースなどの解体後、メスデッキのテーブルの除去、タイルの張り替え作業を行いました。また、タイルの張り替え作業と同時にスチールや隔壁の錆などの除去・補修作業も行いました。

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戦艦ミズーリ保存協会の技術責任者ジム・ストーンによるタイル張り替えのための検査。

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新しいタイル設置前のメスデッキの床面。

タイルの張り替え作業の間、学芸課はカリフォルニアの業者グループ・デルファイと展示ケースや側壁に関して打ち合わせを進めました。

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1213Kamikaze展示リニューアルのレイアウト。(物理的な関係で実際は若干変更されています。)

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ミズーリのスタッフの翻訳により展示ラベルは英語、日本語、中国語、韓国語の4か国語で展示されます。

リニューアルした展示スペースではより多くの資料を展示し、来館者の導線を改善したレイアウトとなっています。これらの展示品は特攻隊にまつわる戦艦ミズーリ保存協会のコレクションと知覧特攻平和会館からの特攻隊員の最後の手紙や遺品などの借用品、そしてキャラハン艦長の命令により行われた水葬に関する資料などから構成されています。

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2019年10月よりグループ・デルファイの展示ケースと側壁の設置が始まりました。

展示ケースと側壁の設置が完了すると、学芸課は展示ラベルの制作と展示物の陳列に取り掛かりました。

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こちらの展示ケースには、戦艦ミズーリに衝突した特攻機の破片や、その破片をレターオープナーやブレスレットなどに変えて保管していた戦艦ミズーリの元乗組員より提供された品々が展示されます。

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こちらのケースでは特攻隊員の最後の手紙を展示しています。

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パイロットのマネキンを展示した縦長のケース。背景のイラストはマイケル・ゴーハン作。

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リニューアル後の展示入口のジョン・ハミルトン作による壁画。1945年1月に起こったHMASオーストラリアを攻撃する特攻機。

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リニューアル後の展示入口。

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知覧特攻平和会館より借用の展示品。

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左から特攻隊員の最後の手紙、パイロットのユニフォームを着たマネキン、寄せ書きの展示。

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1945年4月11日に衝突した特攻機の破片を含む戦艦ミズーリ元乗組員提供の展示品。

29キャラハン艦長が命令を下した水葬の様子。1945年4月12日の”プラン オブ ザ デイ”(計画表)の展示。

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バスター・キャンベル氏のカメラや遺品のケース。1945年4月11日の特攻機衝突直前を捉えた写真はキャンベル氏によって撮影されたと言われています。

 

 

投稿者: senkanmissouri

歴史的な過去と現代の技術の共存する船、戦艦ミズーリは、訪れた人々に歴史の痕跡と真実を巡る機会を提供する記念館として一般公開されています。戦艦ミズーリ記念館は展示物、過去の記録、ツアーなどを通じて、皆さまに艦上での生活について詳しく学んでいただけます。現在公開されている戦艦上の多くの部分は、ミズーリ号が就役していた当時の状況をほぼ忠実に再現しています。当時の戦艦内の設備や生活の様子などをご自身の目で確かめに、ぜひご来館ください。

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